機関誌『半文』

文亡ヴェスペル 日常系ミステリ-人文学バトルマンガAURORAのためのプレヒストリー・スクリプト-

折場 不仁

*登場する人物・機関・組織等は、実在のものとは何ら関係ありません

人物一覧(第33回時点)

GenSHA(General Sciences on Humanities and Arts/一箸大学大学院総合人文芸術科学研究科)所属の人々とその関係者

沢渡歩夢(さわたり・あゆむ)
修士課程3年生になった。田宮ゼミ。研究テーマは「都市論のような何か」。匡坊市公民館との連携企画「くにまち文教マッピング」スタッフ。
人吉由摩(ひとよし・ゆま)
沢渡と同期。修士課程2年次で退学し、十協大学の生命科学科へ学士入学。もと田宮ゼミ、昆虫少女。同じく「マッピング」スタッフ。
小笹太一(おざさ・たいち)
オーバードクター兼一箸大学図書館員。ルネサンス美術史について博士論文執筆中。一児の父になったばかり。「マッピング」スタッフ。
森川一己(もりかわ・かずみ)
オーバードクター、故福富ゼミ、現在田宮ゼミ。修辞学の周辺を関心対象とするらしい。寡黙な男。
石山坤(いしやま・こん)
オーバードクター、IT関連リサーチアシスタント。田宮ゼミ。ルカーチを中心とする表現主義論争まわりが専門ということに一応なっているが、どうだかわからない。通称コン。
上野原涼(うえのはら・すずし)
博士課程2年生。田宮ゼミ、真弓ゼミ、逸瀬ゼミ。基本的に映像メディア研究を志すらしいが、テーマ大いに迷走中。
糸魚川縁里(いといがわ・ゆかり)
博士課程3年生。田宮ゼミ、および政治社会研究科の塙保ゼミにも。専門領域はおおよそ神学哲学・コミュニケーション論。料理が得意。通称イトさん。
武井(たけい)ルチア
修士課程1年生。法学部卒業後、企業で数年法規係をつとめた後、社会人入学して田宮ゼミに来た。相手のセリフの末尾をオウム返しに繰り返しながら会話する癖がある。「引用」について研究しようとしている。
一屋遥(ひとつや・はるか)
修士課程1年生。商経研に所属しつつ、田宮ゼミにサブで出入りする。「マッピング」に関心を持っている。
加納史織(かのう・しおり)
修了生(単位修得退学)。もと田宮ゼミ。動画論。現在はパートナーとともにモノづくりにいそしんでいるらしい。フランセ・リーブル語学学院嘱託。
向坂理久(こうさか・りく)
加納のパートナー。家具職人。田宮ゼミに大いに出入りする。
林依玲(りん・いーりん)
オーバードクター、多面的リサーチ・アシスタント。マフィア表象研究。故福富ゼミ、現田宮ゼミだが、もはや学生というよりむしろ研究科秘書。日中韓英伊の五か国語に堪能。
河辺千鶴(かべ・ちづる)
コンたちとほぼ同期。修士修了後、西日本のとある小さな地方都市のアート系出版社「霧菻舎」で編集をつとめる。
沢渡示遠(さわたり・しおん)
歩夢の弟。高校1年生になったとおぼしい。コンピュータ大好き少年。コンに憧れている。
福富吉郎(ふくとみ・よしお)教授(故人)
GenSHA元科長。専門は中国哲学・中国文学。ある朝、科長室にて心臓発作で急逝。
真弓(まゆみ)教授
英文学史。エリザベス朝期の詩人サークルを中心に研究。福富亡き後、GenSHA科長を引き継ぐ。やや神経質なタチ。
和久(わく)教授
民俗学。GenSHA最長老の生き字引。福富の前に科長を三期務め、今も大いに人望がある。
城崎(きのさき)教授
西洋文献学。和久に次ぐ長老格、磊落な人柄。軽い脳梗塞で倒れて以来やや脳調不良。
斉木笑里(さいき・えみり)教授
演劇学・芸能論。田宮の元指導教員。定年まで数年。白髪の着物姿で学校に来る天然少女。「ファウストを読む」自主ゼミ開講中。
根来心佑(ねごろ・しんすけ)教授
中国文学。福富の研究パートナー。根来忍者とは縁もゆかりもないと言い張っている。
逸瀬(はやせ)准教授
西洋現代思想。同僚をネタにして論文を書く癖があるらしい。
田宮考(たみや・たかし)准教授
メディア史。目下ほとんど学校に来ず、学生指導はもっぱらPterpeを介する。留守の間、研究室は学生の溜り場になっている。
浅利喜一郎(あさり・きいちろう)名誉教授
数年前に退任。「鶴の一声」でGenSHAに大風呂敷な名称を与えた初代科長。
山鹿紅子(やまが・べにこ)
学生思いの教務担当職員。旧姓秋葉。通称モミジさん。

匡坊(くにまち)市公民館と「マッピング」周辺

高藤佐知(たかふじ・さち)
公民館専門職員、「マッピング」の公民館側スタッフリーダー。アルトの声、配慮の人。
原口裕(はらぐち・ゆたか)
同じく専門職員、「マッピング」スタッフ、GenSHA連携スーパーヴァイザー。
鶴巻研二(つるまき・けんじ)(故人)
匡坊市民、建築・インテリアデザイナー、写真家。「マッピング」スタッフ。ある日、匡坊駅でホームから落ちて轢死。
鶴巻浩太(つるまき・こうた)
その息子。
須崎幸四郎(すざき・こうしろう)
匡坊市民、引退サラリーマンと称する老翁。八十を超えてタブレットを優雅に操り、こてこての浪花弁を披露する。「マッピング」スタッフ。
張梓雨(チャン・ヅーユー)
通称ツイちゃん。好奇心旺盛な台湾からの短期交換留学生だったが今は台湾へ帰った。学部3年生。
正岡三春(まさおか・みはる)
高藤のパートナー。匡坊市の街はずれで瀟洒なジャズカフェを営む。
弘明寺至(ぐみょうじ・いたる)
鶴巻の工房の元アシスタント。鶴巻の死後、探偵社に勤めはじめた。
木梨(きなし)某
匡坊市辺縁にあった「ヒーリングスポットBogen(ボーゲン)」の立ち上げ時メンバーの一人。一箸在学時(学部)は吉井のアンダーゼミに所属。現在はNPO法人「ネプチューン・ネットワーク」で芸能プロデュースをしている。

ジノ研(JINO Laboratory for Humanities)関係者

吉井天海音(よしい・あまね)
研究員。元GenSHA教授、音楽学・演劇学。斉木の朋友。クマさん的風貌、バスの声。
薄田甚五郎(すすきだ・じんごろう)
勤めていた大学を早期退職してジノ研を創設。無類の大酒飲み。みずから亡き後のジノ研後継者を福富に期待していた。
小池信勝(こいけ・のぶかつ)
同じく創設者、薄田の盟友にして弟分。ドイツ文学。
松ヶ枝(まつがえ)某
研究員。若いころから斉木の研究仲間。教育文化史。
古市(ふるいち)某
研究員。板前。一級の料亭を営むかたわら、日本芸能史の講師をつとめる。
秦(はた)某
受講生。もっぱら吉井と古市の講座に出ている中年男性。デパート勤務。尺八の練習をはじめたところ。
高天晴(ガウ・ティエンチン/ハル)
半ばJINOで育った「地震っ子」。高校生の年ごろ。

その他の学者たち

塙保行長(はなわほ・ゆきなが)
政治社会学部教授。糸魚川・森川が出入りしている。つい先ごろJINOの研究員となった。ただし大学と掛け持ち。
御子神正(みこがみ・ただし)
商経学部教授、経営戦略担当副学長。次期学長の評判高く、一箸きっての切れ者で知られる。
斧善紀(おの・よしのり)
政治社会学部教授、人事担当副学長。現学長・伊藤久の子飼いで磊落な性格、人によっては前世の遺物と見る向きもある。
川路(かわじ)某
御子神につく役員補佐。斧によれば「若手のピカイチ」。
菅原人躬(すがわら・ひとみ)
東京綜合大学社会情報学科教授。『スマート化社会への早すぎた展望』の著者。
宮島康介(みやじま・こうすけ)
東京綜合大学大学院博士課程。自称専門・社会情報学。コンの学部時代の同期だが今は疎遠。
安倍昭二郎時行(あべ・しょうじろう・ときゆき)
陰陽師。安倍晴明の遠い子孫だという説もある。福富の「飲み友達」。

AISA(Alternative Institut for Social Arrangement)関係者

依田泰三(よだ・たいぞう)(故人)
AISA先々代社長。震災後のIT構造改革を牽引した一人。一箸大学出身。
依田俊二(よだ・しゅんじ)
泰三の孫、現在の社長。やや経歴不明。

〈銀麟〉関係者

祖父江公良(そふえ・きみよし)(故人)
〈銀麟〉先代ヘッド。依田泰三の知友、また薄田と同窓でジノ研創設時のパトロン。
斎藤不練(さいとう・ふれん)
武術家。〈銀麟〉雇われ武術顧問。〈アゴラ〉と仲野に道場を構える。仲野のほうにはイーリンが弟子入り中。
安倍三郎行親(あべ・さぶろう・ゆきちか)
昭二郎時行の養子。震災後不練に拾われ、長じて昭二郎時行に引き取られる。今も不練の内弟子。
多岐川玄理(たきがわ・げんり)
「多岐川ソリューションズ」社長。通称ポイズン・モス。イーリンの義兄。
トニ・リーファン
現在の〈銀麟〉ヘッド。
シロ
「多岐川ソリューションズ」に所属、ポイズン・モスの弟分。ハルの友人。

さらにその他

梦仁(ゆめひと)
今上天皇。早間御用邸にみずから逼塞しているよし。

2019.10.10

(おりば・ふじん/一橋大学大学院言語社会研究科)